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ICMT制度設立趣意書
医療における質の高い感染制御への取り組みは、患者サービス向上のみならず我が国の医療費抑制政策や病院経営健全化の観点からも極めて重要な課題である。近年の感染制御はエビデンスに基づく感染対策と効果検証が不可欠であり、医療関連の感染制御(healthcare-associated infection control)の実践に際し、医師、看護師、臨床検査技師、薬剤師など医療の専門家が総力を結集する取り組みが求められている。
わが国の多くの医療機関では、院内感染対策委員会および実働部隊としてのインフェクションコントロール・チーム(Infection Control Team、ICT)が組織化され数々の改善が図られている。委員会や組織が有効な機能を発揮するためには、感染制御に関する職域ごとの専門的な知識・技能を有する人材の育成と相互の協力が不可欠である。
近年、感染制御に携わる医療従事者の分野ごとに資格制度が制定され、急速に普及しつつある。2005年8月現在、ICD制度協議会によるインフェクションコントロール・ドクター(ICD)は約4,300名、日本看護協会認定感染管理認定看護師(ICN)は約250名の認定数に達している。また、2006年度からは感染制御専門認定薬剤師(仮称ICPH)制度も発足予定である。
認定臨床微生物検査技師制度協議会(日本臨床微生物学会、日本臨床衛生検査技師会、日本臨床検査医学会、日本臨床検査同学院)は、「臨床微生物学と感染症検査法の進歩に呼応し、これらに関連する臨床検査の健全な発展普及を促し、有能な認定臨床微生物検査技師の育成を図り、より良質な医療を国民に提供すること。」を目的とし、2001年度から2004年度までに307名の認定臨床微生物検査技師を認定している。本資格制度は臨床微生物検査を高度に実践できる能力を認定するものであるが、医療関連の感染制御においても幅広く貢献できる資質を持った人的資源である。
このような背景から、臨床微生物学や感染症検査全般にわたる高い専門的知識と経験を有し、実務的に医療施設内の感染制御に積極的にとり組んでいる認定臨床微生物検査技師のうち必要条件を満たした者を日本臨床微生物学会が感染制御認定臨床微生物検査技師(Infection Control Microbiological Technologist、以下ICMT)として位置づけ、認定する制度を発足することは意義あることである。ICMT資格制度の制定により、各医療機関における認定臨床微生物検査技師の認知度を高めるとともに、ICD、ICN、ICPHと協調し、資格取得者一人一人が質の高い効率的な感染制御を実践する責務を果たすことが期待される。
2006年1月28日
日本臨床微生物学会理事長
猪狩 淳
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