第30回日本臨床微生物学会教育セミナー アドバンストコース
日程:令和6年10月12日(土)13時~18時
場所:AP品川アネックス(現地+WEBのハイブリッド開催)
主催:日本臨床微生物学会教育委員会
担当:藤谷好弘(札幌医科大学医学部 感染制御・臨床検査医学講座)
小池祐史(日本医療大学 保健医療学部 臨床検査学科)
検査室から臨床現場, そして公衆衛生に貢献する臨床微生物学
COVID-19パンデミックは感染症関連分野に大きな変革をもたらしました。遺伝子検査がより身近なものとなり, 感染症サーベイランスや感染対策が一般社会においても認知されるようになりました。そこには, 日々の微生物検査や感染症診療がサーベイランスデータに反映され, これらのデータに基づいて社会が感染対策や施策を講じる, という社会の体制が存在します。日常の診療や微生物検査が社会における感染症対策を支えています。医療機関においては感染症法に基づく届出や, 行政検査としての病原体の提供など, これまでも継続的に公衆衛生に寄与してきましたが, このパンデミックを契機に今後はこの体制がより強化されるでしょう。しかし, 届出した情報や提供した病原体がどのように解析され, どのように活用されているか, 実は十分に把握できていない方も多いのではないでしょうか。本セミナーでは, 感染症診療や臨床検査業務がどのように公衆衛生に貢献しているのか, そしてそれらがどのように社会を動かしているのかを探ります。施設をこえて広い視野で仕組みを理解し, 課題を共有することで, 臨床微生物学と公衆衛生がシナジー的に発展することを目指します。
今年度の教育セミナーは, 現地参加とZoomを用いたWEB参加のハイブリッド形式で, 半日のスケジュールで実施します。まずは国立感染症研究所の講師に感染症サーベイランス及び病原体解析に関してレクチャーいただき, 臨床微生物学と公衆衛生のクロストークの場を設けます。続いて, 臨床現場と微生物検査室とのクロストークの場として, 症例のグループディスカッションを実施します。日本臨床微生物学会の教育委員等がファシリテーターを務めます。そして, 今年度はセミナー終了後に懇親会を開催します。職種, 施設をこえて交流を深め, 今後の活動に大いに活かしていただきたいと考えております。教育委員一同, 鋭意準備を進めておりますので, たくさんの方のご参加をお待ちしております。
※WEB参加の方はZoomでディスカッションを行うため, カメラとマイクのある端末を準備しての参加をお願いします。
参加要項
参加費:(学会員)3,000円、(非学会員)5,000円
※参加確定後に参加費振込み用の口座をお知らせします。
※お支払い後の返金(キャンセル)はできませんので, 予め御了承下さい。
募集人数:(現地参加)30名、(WEB参加)90名
※応募者が多数の場合は学会員を優先して参加者を決定させていただきます。
※現地参加の応募者が多数の場合はWEB参加をお願いする場合があります。
参加証交付:レクチャー及びグループディスカッションの全てのプログラムの参加者に交付します。
13:30以降の遅れての参加もしくは17:30以前の途中退出した方には参加証を交付できません。また, WEB参加の場合は途中で退出されると参加証を交付できない場合がありますのでご注意下さい。
懇親会:セミナー会場近くの飲食店で開催予定(会費5,000円)
※現地参加の方のみが対象です。参加希望者には別途詳細をお知らせします。
※会費は当日お支払い頂きますのでご準備をお願いします。
※やむを得ずキャンセルする場合は3日前(10/9水曜日17時)までに事務局にご連絡ください。以降はキャンセルができず、会費をお支払い頂きますのでご了承ください。
受付を終了いたしました。
たくさんのご応募をありがとうございました。
※参加の可否は申し込み締切り後に記入いただいたメールアドレス宛に送信いたします。
締切:令和6年9月27日(金)17時まで
事務局: 日本臨床微生物学会事務局
〒 141-0022 東京都品川区東五反田 4-7-25 TYビル3階
E-mail: jscm@qk9.so-net.ne.jp TEL:03-5447-6800 FAX:03-5447-6801
プログラム
12:20~13:00 受付
13:00~13:10 開会式 教育委員会委員長 大毛宏喜
13:10~14:40 レクチャー 座長:大毛宏喜(広島大学病院 感染症科)
13:10~13:55 レクチャー① : 塚田敬子(国立感染症研究所 実地疫学研究センター)
「Surveillance! Surveillance!! Surveillance!!!
~感染症発生動向調査事業をご存じですか?~」
13:55~14:40 レクチャー② : 明田幸宏(国立感染症研究所 細菌第一部)
「病原体サーベイランスによる感染症の動向把握」
14:40~15:00 休憩
15:00~17:50 症例提示・グループディスカッション
症例提示① 北川浩樹(広島大学病院 感染症科)
症例提示② 寺田教彦(筑波メディカルセンター病院 臨床検査医学科/感染症内科
/ 筑波大学 医学医療系 臨床医学域 感染症内科学)
17:50~18:00 修了式
18:30~ 懇親会(※現地参加の方のみ)
ファシリテーター からのコメント
●佐々木雅一(東邦大学医療センター大森病院 臨床検査部)
本教育セミナーは医師や臨床検査技師など各職種の思考を共有し症例を考えていくものとなります。それぞれがどのように症例を受け止めていくのか,そのプロセスを知ることで日々の日常診療・検査が一味違ったものに見えてくると思います。ファシリテーターが重要なポイントを押さえながら小気味よく進行するディスカッションは必見です。検査室に引きこもっている臨床検査技師,検査室に足を運ぶことを躊躇する医師や薬剤師,看護師の方々には是非この機会を利用していただければと思います。
●静野健一(千葉市立海浜病院 臨床検査科)
本セミナーは,多職種による症例検討が大きな魅力です。臨床医がどのような臨床推論により診断に至るのか,検査技師がどのような方法で病原細菌の同定を行うのか,グループディスカッションを通じ互いに多くのことを学べます。また,全てのグループに経験豊富な医師が進行役として入って下さるため,経験の浅い参加者にも必ず貴重な経験となります。
臨床微生物学会設立の目的の一つに,医師と検査技師が協同することで,検査室能力を向上させる狙いがあり,本セミナーはまさにその理念を受け継いでいると感じます。ぜひご参加いただき,自施設での業務に活かしていただければと思います。
●渋江 寧(横浜市立みなと赤十字病院感染症科・感染管理室・医療安全推進室)
私は2018年から日本臨床微生物学会教育委員会の委員として年1回の教育セミナーに参加しております。本セミナーはエキスパートによる感染症診療・臨床微生物学などに関するレクチャーに加え,経験豊富な医師,臨床検査技師がファシリテーターとして参加する多職種の症例検討会・グループディスカッションが軸になっております。
レクチャーは今年度は体系的に学ぶ機会も少ない感染症発生動向調査に関するレクチャーを2つ用意しております。院内の感染対策,ICTに関わる人は勿論ですが,日常の感染症診療に関わる医療者も知っておきたい内容と思います。
グループディスカッションは毎年の参加者アンケートでも特に高評価をいただいております。医師の臨床推論や臨床検査技師の微生物同定,薬剤師の治療薬選択など,症例を通して学ぶ場となっており,それぞれ日々の臨床に活きる2症例となっております。
アドバンストコースと銘打っておりますが,初学者でも充分参考になる内容と思いますし,これを契機に専門的な学習に繋げていただくことも可能と思います。勿論,経験豊富な方も知識のアップデートにお役立ていただける内容です。
是非皆様,奮ってご参加ください。
●関谷紀貴(東京医科歯科大学 TMDU感染症センター)
本セミナーは,教育講演での知識整理だけでなく,十分な事前準備に裏打ちされた症例検討から得られる,多面的な学びがアピールポイントです。日常業務だけではあまり見えてこない,感染症診療の様々な診方・考え方について楽しく話合いましょう!
●中山麻美(東北大学病院 診療技術部臨床検査部門)
症例提示のグループディスカッションでは,実際のチーム医療を想定して多職種で行っていきます。
症例に対して,医師がどのようなことを考えて鑑別・診断しているのか,その過程を知ることができます。
一方,検査技師はどのようなことを考えて検査しているのか,より有意義な結果を適切なタイミングで臨床に報告するために,実はこんな情報があると助かる!など,臨床側と検査室のお互いの疑問を解決できるいい機会となります。
グループディスカッションが不安という方,ファシリテーターがサポートしますので安心して参加していただければと思います。
多職種とどのようにコミュニケーションを取ればいいか分からない方,日常検査で疑問に思っているけどなかなか聞く機会がなくて困っている方,他施設の運用についても知ることができるので,毎年参加者の満足度が高いセミナーとなっています。
●森 伸晃(昭和大学病院 感染症内科)
日々の検査や診療で疑問を感じることはありませんか?このセミナーは,そんな悩みを解消する貴重な機会です。
ここでは職種や経験年数を問わず,多様な参加者が集います。貴重な講義の後には,この会の目玉である症例検討会があります。そこで他職種の方々との交流や,様々な施設の取り組みを知ることができます。教えることが大好きなインストラクターが温かくサポートしますので,初対面の人と話すのが苦手な方も全く心配ありません。
実は,インストラクター自身もこの場で多くを学んでいます。インストラクターの多くが「自分が一番勉強になった」と口を揃えて言うほどです。このように参加者もインストラクターも共に成長できる場は,なかなか他にありません。ぜひご参加いただき,新たな知識と刺激を得てください!
◆グループディスカッションファシリテーター(五十音順)
岡本 耕(東京医科歯科大学)、片山充哉(国立病院機構東京医療センター)、金子幸弘(大阪公立大学)、北川浩樹(広島大学)、倉井華子(静岡県立静岡がんセンター)、佐々木雅一(東邦大学医療センター)、静野健一(千葉市立海浜病院)、渋江 寧(横浜市立みなと赤十字病院)、鈴木 純(岐阜県総合医療センター)、関谷紀貴(東京医科歯科大学)、寺田教彦(筑波メディカルセンター病院/筑波大学)、中山麻美(東北大学)、浜田幸宏(高知大学医学部附属病院)、福島一彰(がん・感染症センター都立駒込病院)、藤田崇宏(国立病院機構北海道がんセンター)、森 伸晃(昭和大学)