日本臨床微生物学会

ガイドライン・提言

日本臨床微生物学会提言 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の核酸検出検査の臨床活用

会員各位

 新型コロナウイルス感染症のわが国における感染拡大状況のフェーズが変わり、新型コロナウイルスの核酸検出検査について、2020年3月6日に保険収載されることが厚生労働省より公表されました。また、保険診療下で行われる新型コロナウイルス核酸検出検査については、次のとおり実施すべきこととされました。

(「検査料の点数の取り扱いについて」保医発0304第5号、令和2年3月4日)
 SARS-CoV-2(新型コロナウイルスをいう。以下同じ。)核酸検出は、喀痰、気道吸引液、肺胞洗浄液、咽頭拭い液、鼻腔吸引液又は鼻腔拭い液からの検体を用いて、国立感染症研究所が作成した「病原体検出マニュアル 2019-nCoV」に記載されたもの若しくはそれに準じたもの又は体外診断用医薬品のうち、使用目的又は効果として、SARS-CoV-2の検出(COVID-19の診断又は診断の補助)を目的として薬事承認又は認証を得ているものにより、COVID-19(新型コロナウイルス感染症をいう。以下同じ。)の患者であることが疑われる者に対しCOVID-19の診断を目的として行った場合又はCOVID-19の治療を目的として入院している者に対し退院可能かどうかの判断を目的として実施した場合に限り算定できる。

 当学会においては、以下の製品について検出限界値が「病原体マニュアル2019-nCoV」(令和2年3月4日、ver.2.8、国立感染症研究所)で明記されている試薬と同等であり、当該マニュアルに準じて使用可能な製品であることを確認しました。よって、これらの製品を用いた場合についても保険診療において検査料を算定できることとするのが妥当と考えます。

  • BD MAXTM ExKTM TNA-3セット(日本ベクトン・ディッキンソン)およびBD MAXTM PCR Cartridgesの組み合わせ

 なお、当該製品の詳細な検査手順については、2月20日に当学会のHPに「BD MAXTMを用いた2019-nCoV検出~One step RT real-time PCRによる検査手順書~」として公表しています。

参考情報:
  • BD MAXTM ExKTM TNA-3セット(日本ベクトン・ディッキンソン)
    検出限界値の確認において、概算コピー数が明らかなRNAテンプレートを約16,約8,あるいは約1.6copies/反応になるようにPCR mixtureにスパイクし測定した。蛍光強度50を検出閾値とした場合、NセットおよびN2セットの検出限界値は何れも約8copies/反応であった。
最終更新日:2020年3月9日
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