日本臨床微生物学会

ガイドライン・提言

【注意喚起】酵母の薬剤感受性測定法について

【注意喚起】酵母の薬剤感受性測定法について

 真菌の薬剤感受性試験は、真菌症治療における抗真菌薬選択で重要な役割を演じています。我が国では栄研化学が販売している酵母様真菌FPおよびDP、また極東製薬工業が販売している酵母真菌薬剤感受性キットASTYが一般病院においてよく用いられています。

 これらのキットでは米国CLSIが公表している測定法が基礎になっていますが、過去20年あまりの間に米国CLSIが変更を繰り返したことにより、上記の「FP」「DP」「ASTY」とも、その添付文書に記載された方法と現在のCLSI法との間に大きな乖離が生じ、MICの値のみならず「S」「R」等の判定においても、時に大きな相違が見られるようになりました。このため、最新のCLSI法を用いて測定することが望ましいと考えられます。

 現状の上記のプレートを用いてもCLSIの最新法に準じた方法で判定することは可能ですが、添付文書と異なる方法で測定することとなるため、混乱を生じることが危惧されます。そこで検査室の現場で抵抗感なく最新の方法で測定できるよう、関連する本学会および日本医真菌学会においてこの問題の検討を重ねた結果、以下のようなコメントを発表することといたしました。

 なお、両社以外のキット、機器にて測定する場合も、一部で同様の状態となっている可能性が考えられますので、現在のCLSI法との整合性について確認されることをお勧めします。

2023年8月8日

一般社団法人 日本臨床微生物学会

酵母の薬剤感受性測定法について

 

最終更新日:2023年8月8日
このページの先頭へ