日本臨床微生物学会

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2025年度受賞者・講評

日本臨床微生物学会 Young Challenger Award(YCA)

マルチプレックスPCRシステムによる感染症診療革新:診断精度向上と臨床アウトカム改善への包括的取り組み

北川 大輔 奈良県立病院機構 奈良県総合医療センター 臨床検査部

【講評】

 Multiplex PCRシステムの臨床導入を通じて、感染症診療の迅速化・精度向上・抗菌薬適正使用に貢献している。大規模データで診療へ直結し独創性と社会的貢献度が高い。また、複数感染部位への包括的診断戦略の構築や多職種連携による診療支援体制の整備など、独創性・挑戦性の観点からも高く評価される。

 

教育用寄生虫標本のデジタル化による持続可能な教育基盤の構築と国際的教育支援 ― 劣化する標本を未来へつなぐ国際共有データベースの挑戦 ― 

金橋 徹  京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 総合 医療科学コース
      形態形成基礎医療科学講座

【講評】

 劣化が進みやすい教育用寄生虫標本をデジタル化し、国際的に共有可能なデータベースを構築する点で臨床検査技師教育をはじめとした人材育成の強化に大きく貢献する意義が認められる。従来の顕微鏡実習と新たなデジタル技術を融合し、形態学的診断能力を維持するという課題に対し、独創的かつ持続可能な解決策を示している点は高く評価できる。また、英語解説も作成し、途上国等における教育資料に活用するなど国際的教育支援に展開する挑戦性もある。

 

末梢血を用いた多項目デジタルPCRによる菌血症迅速診断法の開発

北川 浩樹 広島大学病院 感染症科

【講評】

 菌血症はパニック値として取り扱われるため迅速診断が臨床的に強く求められる領域である。従来の血液培養に比べて大幅に時間短縮を可能にする多項目デジタルPCRの応用は新規性もあり、臨床的即効性もあり、実地医療への貢献度は高い。がん領域の技術を感染症診断に展開した独創性に加えて実臨床を目指した多項目化や標準化への挑戦生も高く評価できる。今後、既存の迅速診断法との比較優位性の評価が望まれる。

 

最終更新日:2026年3月12日
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